人が来て、賑やかなのに、一人になりたくて、酔っ払った振りして自室に戻る。

何故か人の中にいるのが苦しくて仕方なかった。



それでいて、メールが来ていないかと、携帯握り締めている矛盾。



さみしい





自分の友人は一人も居ない、社交辞令の挨拶が繰り返される空間。

誰も私個人には興味が無い。



ノックの音とともに、いいとも言っていないのに山崎が入ってくる。

「お嬢様?具合でも悪いのですか?」



「別に」



「では、下へ下りて、お客様をおもてなし下さい」



「眠いのよ」



「お嬢様?」



「お嬢様、お正月早々にお仕置きは私もさすがに考えるものがありますが、お仕置きにしますか?下に行かれますよね?」



やれやれ、口をつぐんで反抗ですか・・・。



「行きたくないの」



「ちゃんと今日はおもてなしを精一杯なさると昨日私と約束なさったのに、破るわけですね?」



「約束破ったらどうなるか」

手にハーと息を吐く。



「や」



「お正月よ?」



「だから、先ほど私がそういいました」



「今行くから」



「それは良かったです」

にっこり微笑みながら、でも強引に私のスカートを捲くって逃げられないように腰を長つけるように、手を回して抱え込まれてしまう。





「山崎?」



「なんでしょう?」



「やだからね。お仕置きなんて」




「あ、ほら、明日も明後日もお客様がお越しになるし、座るのに困るようだと、笑顔も引きつるし」



「ですから?」



「だから、だ、だから、あんまり痛くしないで下さい」



「ああ、そうですね。でも約束をした翌日にこれですから、それなりには痛いと思いますよ」

「では」



パチン パチン パチン パチン

最初のうちはちょっと痛いけれど我慢できる。

そろそろと言った矢先、

バチン バチン と力が入って連打。



「やああ。痛い。痛い。休憩にして」

「今始めた所です」

いっこうに止まないし、痛いし、で足をもぞもぞと動かす。



「何故お仕置きされてるんですか?」

「約束破りのお仕置きは痛いんですよ」



「本当に痛いって。山崎」



「痛いんです」

「お仕置き中は敬語をお忘れなく。『もうしません』はどうされました?



「もうしないから」



「わかりました。もっと厳しくしないと分からないみたいですね」



「たんま。もう無理。ちゃんと言うから、もうしない。もうしません。本当。約束する」



「次破ったら、もっと厳しいですよ。いいですね?」



「はい」



どんよりとした気分でとにかく返事はする。

「泣き顔は困りますからね。少しお尻を冷やしている間に気分を落ち着けて置いてください」



そういって、濡れタオルを持ってきてくれ、気持ちのいい、ヒンヤリとしたタオルをお尻の上に乗せてくれた。



「痛かった」

と、恨み声で甘えると、



「そうですか。では、効果がありそうですね。お嬢様はすぐ痛い思いをしたことをお忘れになるから・・・」



そういってかわされた



「でも良く、我慢されましたね」



という魔法の言葉に気分はすっかり良くなっていた。



昔みたい。



小さい時の、少女の時のような。



「そろそろ卒業していただきたいものです」



タオルを取り替えながらそう呟く。

私だってそう思ってるのに・・・。



「卒業する頃だってようやく認めてくれるの?」



「そうですね。様子をみながら」



いくぶん含みはあったが、希望が。



「調子に乗らないようにお願いしますよ。お嬢様」



「はい」嬉しくて思わず声がはずむ。山崎のお仕置きから解放だ!

が、



「一年の計は元旦にあり」


山崎の呟いたその言葉、ん?まだ、これからもお仕置きするって事?これで終わりって事?

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送