パサッと背後で羽の音。

 

振り返ると

 

「さでおちびさんはとっくに帰る時間過ぎているはずだが、

歌の練習もサボってここで何しているのかな?」

 

「ゼン」

 

 

 

 

「どうした?スミレ?口が利けなくなっちゃったか?」

 

ううん

首をブンブン横に振る。

「体が冷え切ってるな。帰ってから話を聞こう。おいで。」

 

ゼンの背中の方にちょこんと乗って。一気に丘を降りる。

ゼンの背中から下の方へ見える丘を振り返りながら飛んで連れて帰られた。

 

 

「さて、うがいが済んだらこっちへおいで。」

 

 

 

ほっぺたをぎゅって手で挟まれる。

 

「目を見せてごらん。」

 

「だってね。スミレね。スミレの花の本物が見たかったんだもん。」

 

「見たいのは分かったけど、歌の練習サボっていいわけないね?」

 

「はい。」

 

「それと、とっくに帰ってこなくてはいけない時間過ぎているね。」

 

「やだー。だって。」

 

「昨日いっただろ。あと2ヶ月くらいしないとまだ咲かないって。

咲いたらゼンが一緒にあの丘へ一緒に行ってあげるって。」

 

「今日のスミレは随分悪い子だったね。」

机の上においてあった皮の紐を取り、髪を結ぶ。

「ゼンお仕置きするの?」

急に不安二なって聞く。お尻を手で隠す。

 

「そう。お仕置きが必要だ。」

 

だまって下を向く。

 

「我侭な子はここにおいで。」

 

それでも黙って下を向いてる。

 

「そうやっていつまでも立ってるならそうしてなさい。」

 

「ヤダー」

 

「じゃあ、おいで。」

 

「ヤダー」

 

「我侭ばかりだ。」

そういってさっと捕まえると問答無用といわんばかりにさっさとお仕置き開始。

 

最初からこうすればよかった。

 

「ゼンの意地悪。」

「わーああん。」

 

「誰が悪い事したんだ?」

「ヤダもん。スミレみたかったんだもん。」

 

「よし。」

 

そういって膝から下ろすと次の部屋へどんどん歩いていく。

 

「やだー。ゼンー。」

 

必死になってトコトコと追っていく。

お仕置きするゼンなんて嫌いだけど、いなくなると急に不安になる。

 

「やだ。やだ。やだ。」

 

ちっこい体をピッタリとよせて、左足を抱え込んでくる。

 

いや。可愛いが、動けない。

 

「見てご覧。これがスミレだ。」

俺の足をガシット掴んでる手をゆっくり解いて、図鑑の挿絵をみせてやる。

 

「ちっちゃい。」

「本当に紫だ。スミレの目の色と一緒だ。」

 

3月になったら一緒に捜しに行こう。」

「本当?」

 

「ああ、本当だ。」

「約束ね。」

「はい。約束。」

 

「さ、ゼンとの約束破った子はどうするんだ?」

しゃがんで目線を同じくしたままスミレに聞く。

困ったように考えるスミレ。

 

そりゃ、なかなか言えないわな。

仕方なさそうにそれでもボソッと

「ゼンからお仕置き。」

 

「それから?ごめんなさいは?」

 

「ごめんなさい。」

 

「勝手に丘に行くんじゃないぞ。」

 

「うん。」

「それから、時間には帰ってくるんだよ。」

 

「はい。」

 

「よし。いい子だ。約束だ。」

 

「うん。約束。」

 

 

「さ、反省してるいい子はお仕置き受けなさい。」

 

そういってさっさと小脇にスミレをかかえ、膝の上に乗せる。

髪の毛もシバってこれでスタンバイオッケー

 

パシン パチン パチン パチン

「わあああん。痛いよ。ゼン。痛いよう。」

やっぱりいつものように泣き出したけど、20発きっちり叩くまで

厳しくお仕置きだよ。スミレ。約束だからね。

 

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