中間テストなんて何であるんだろう?

 

「なほ、テストの点が悪いくらいでそんなに落ち込む事無いのに」

「うん」

「やだー。じゃあ、景気付けに今日マックよって帰る?」

「ゆかちゃん、有難う。でも今日はまっすぐ帰る。」

「なほ元気だしなよ」

ゆかちゃんは心配してくれたけど、このテストではどうやっても憂鬱になるってもの。

なんていっても、46点という数学のテストがかえってきてしまったのだ。この間物理が

返ってきたときも同じような点で涼先生にこっぴどくしかられたばっかりだったのに。どうせなら、一緒に見せればよかったかも。一枚一枚ひどい点を見せるとその度にひどいお仕置になるからなー。

 

「さて、テスト見せてもらおうか」

涼先生は部屋に入ってくるなり、奈保子の憂鬱な顔を見て取って追い討ちをかける。

「あの。あまり良くなかったんです」

「あまり。ね。言っただろう。努力の結果がテストに出るんだって。」

 

「今日見せないと駄目ですよね。」

「じゃあ、いつみせるんだい?」

物理のお仕置は一週間前だったけど、今またお仕置されたら…。痛さが余計身にしみるに違いない。

 

「奈保子。いいだろう。お仕置から逃げたいだけでそう言う事を言うのなら、もう僕は家庭教師続けない方がいいと思うんだよ。」

「そういうつもりじゃなくって」

 

お仕置前に泣くなんてこと無いのに、今日に限っては泣いてしまっていた。自分でもわかっているのに、でも ついお仕置されたくないという甘えた気持ちが押さえきれなかった。

 

「奈保子。自分で考えてどうするのか決めなさい。」

 

「涼先生。辞めるといわないで。」

 

「じゃあ、どうする?」

「涼先生。奈保子はやらなくてはいけない事をサボってしまって、ごめんなさい。」

「お仕置の覚悟はしてます。」

 

「奈保子がお仕置きをして下さいと自分から言えるとは。反省していると思っていいのかな?」

泣きじゃくりながら懸命にうなずいて、涙をこらえようとする。

「これです。」

のろのろと46点のテストを見せる。

ちらりと見るや否や、

「膝の上に来なさい。」と当然のお仕置き宣告。

 

「はい。」

のろのろとではあるが、自分で膝の上に乗る。

これから涼先生の節だった右手が私を叩くのだ。

 

「自分が蒔いた種だ。十分反省しなさい。」

パーン

先週の痛いお仕置されたあとがうずいてくるようでやっぱり想像通り、いつもよりはるかに痛い。

 

「バタバタとするんじゃない。反省しているのは口だけじゃないだろう。」

「しっかり態度で示しなさい」

でも痛さのあまりどうしてももがいてしまう。

 

「奈保子、手でお仕置されるだけでは一向に態度が改まらないのなら、もっと厳しくするぞ。」

「いや。いや。ちゃんとうけます」

そうはいっても、また痛さのあまりもがいてしまう。

たっぷりと手でお仕置きされづづけていると、ふと手が止まった。

すでに頭の中は真っ白。早く終わってほしい。

それだけを考えていた。痛みを確認するたびに次の一打の恐怖におびえる。

我慢できるわけないよ。無理無理。絶対やめて。首を懸命に横に振るけど

容赦無く2打目が振り下ろされる。

「あーん。痛い。」

もう声なんて出ないと思っていたのに、あまりの痛さに許しを請う。

「ごめんなさい。本当に反省しています。」

「最初からその態度であればここまでひどくならなかったんだがね。」

「かんにーん。」

「しんじゃう」

「死にやしないよ。大丈夫。」

パーン。パーンとリズムが変わる事はない。必死にもがくものの、そんなことにはお構いなく、数を数える。

「さああと2発でおわりにするからちゃんと反省するんだよ」

「もう本当に反省しています〜〜。」

しっかり、あと2発打たれて、ようやく厳しいお仕置が終わった。

 

「さて、テストはこれ以上悪いものが無いだろうね。」

「毎週これじゃあ、ちっとも勉強する事ができないからね」

 

「返事は?」

「多分。大丈夫かと」

 

「多分?自信がないのは何?」

「…」

 

「まあ、もっと厳しく勉強のし方を教えれば少しは期末テストはよくなるだろう。」

 

「今日はこれでいい。さあ、勉強始めようか。」

「え?やるんですか?」

 

「まさか時間中ずっと膝の上でお仕置を受けたいというのなら別だが。」

「うそです。ちゃんとやりたいと思ってます。」

椅子に座るのが辛く、でもきちんと座りなさいと何度も注意され

甘えた態度は許してもらえなかった。

「そんなに、集中してないのなら、またお仕置するぞ。」

と意地悪を言われながら懸命に我慢した。

泣き顔見られたくなかったけど、授業中も辛さがよみがえってきて、思わず

涙がポロリとこぼれそうになる。

そんな気持ちを何もかも分かった上でなのか、

「奈保子、頑張って欲しいから厳しくするんだよ。わかるね?」とお説教。

「はい」

「教えたいと思わなかったら、もう私はこの仕事引き受けないだけなんだよ。それを

一生懸命お仕置きをして、良い子になってもらいたいと思うのは、教える価値があると思うからなんだよ。」

「はい」

嫌いじゃないもん。涼先生。それに悪いのは私だって事もわかってるし。でももうちょっと甘いといいのに。いつも絶対妥協は許されないのが辛い。

 

「よしよし、良い子だ。さあ、数学の勉強をしようか」

数学か…。受難は続く。

<戻る>

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送