試験前
「試験前は漫画は禁止っと言ってあったかと思ったけど?」
ぎくっとして振りかえる、その声は…
「涼先生。なんで?」
「ちょっと抜き打ちで来てみたらこれだ」
う。するどい…。誰よりも怖い涼先生背後にいつのまにか立っていた。
「ちゃんと試験勉強もしています。。。。」
「量が全然足りていないと思うけど。」
今回の中間テストは頑張ると宣言したら、頑張るために何をするかと聞かれて、約束したくも無いのに、漫画は試験中は読まないって事に決まってしまったのだった。
涼先生に来てもらうきっかけは自分で見つけてきた銀行にあった張り紙。
「怠けた態度は許しません。お仕置きします。」という一文があり、一人っ子のためか、厳しい年上男性になんとなくあこがれる気持ちと、興味本位もあって、自分で、お願いした。
でもそのときはお仕置きがお尻を叩いて…。なんて意味だと思っていなかったから、始めての顔合わせのときにその意味を知って、青くなった。
意味を知っても、そんなこと、全然本気じゃないだろうと思っていた。
泣き叫ぶことになる、お仕置きを本当に受ける事になるまでは。
脅しでいっているだけだろうなんて思ってへらへらしていたら、早速初日に
「勉強するのは君だよ。僕の授業を受ける態度を教えておこうね。」と、膝の上に乗るように言われ、剥き出しのお尻に10発もお仕置きをもらったのだった。
どんなに叫ぼうと,どんなにもがこうと、10発終わるまでは膝から下ろされることもなく、諭すようにゆっくりと、叩かれ、そのあと、みっちりお説教された。
勉強しなきゃと思うけど、いざとなると、勉強をやりたくないなという気持ちがどうしても沸いてきてしまう。結果的に、授業態度が真剣身に欠けていて怒られたのだった。両親にも叩かれた事無いのに、屈辱と恥ずかしさで十分に懲りた。
初めてのお仕置きを受けて、この人には逆らえない。きちんとやるまでは決して許してもらえない人だというのが身にしみて分かった。叩かれた事はショックだったけれど、家庭教師に来てもらうのをやめなかったのは、なんとなく、涼先生には人を魅了する、何かがあるのかもしれない。やめるって言い出せなかった。
「さて。」
さて。。。これはどうみてもお仕置きされるシチュエーション。
「先生、これは、ちょっと息抜きしてたところで、えーと、本当に今回はものすごく努力してるし。」
こっそり顔を上目使いでみてみる。
「結果がすべてだからね」
う。怖い顔。
「全教科平均点以上取ると宣言できる?」
えーー。全部?物理と数学はちょっと自信ないのに。
「多分全部はちょっと…」
「いや。こうなったら全部平均点以上取ります。約束します。といって欲しいね」
「えー」
「えーじゃない。ちゃんと普段も勉強していて、さらに今回はものすごく努力していて、できない訳がないからね。」
うそ。なんか言葉のあげ足取られている気がする…。
「はい」
「はいというのは、全部平均点以上をとるってことだね。これは楽しみだ。」
有無を言わさなってかんじで決められちゃった。やばいよなー。
「さ。膝の上に来なさい」
「え?」
「約束やぶってこっそり漫画よんだんだろう?」
「だってそれって平均点以上で免除されたんじゃないのかと…」
恐る恐るねばってみる。
「膝の上に来なさい。漫画を読まないと約束したんだろう?言い訳は聞かない」
あー。不幸が二つも。このお仕置きされた上にもし、テストの平均点以下となったらそれもきっとお仕置きってことでしょ。なんとか、逃れたいよ。
「どうしても?」
「今すぐお尻を出して膝の上にこないのならお仕置きを増やすしかないね。」
「よし。わかった。」といって力ずくで膝の上に乗せられる。
「見つからないだろうと思って、漫画を読んだ分。10発」
「態度が悪かった分10発」
「さ。なんていうんだ?」
「反省しています。お仕置きをして下さい。」
「奈保子が本当に自分で勉強を時分のためにするようになれるように、では厳しくお仕置をしよう。」
えー厳しく???
「誰のためのお仕置なのかよーく考えながら、お仕置を受けなさい」
なんか全て読まれてる。
パーンと始まる。痛い。これが猛烈に痛い。
隣の部屋にいる。ママは一体なんと思っているんだろう。音が聞こえないわけじゃないだろうに。最初のうちはプライドもあるから、ぐっとこらえようとするのに、すぐ
「ごめんなさい。もう許してください」を泣きながら連発することになる。
本当に涼先生は容赦無く叩くんだもん。必死で痛さを我慢して痛いお仕置が終わると、
「今からちゃんと勉強するんだよ。試験結果が楽しみだ」
と、わざといって帰っていった。
絶対はめられた。だって、数学と物理がヤバイ事わかってるくせに。
お尻がほてってて、なんか勉強する気になれないからその日はそのまま、寝てしまった。これが当然結果としてあらわれて、予想通り、テストは数学と物理は目も当てられない点数だった。
「さて。」いつもの先生の口癖が返された答案から聞こえてくるよう。
ああ、今日はお仕置きだろうな・・・。やっぱり。
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