最近自分で作るアクセサリに夢中。一時期はやったビーズから始まって、シルバー使ったりと、手芸ショップに行ったら。
何時間もいられるっていうくらいに熱心に選んで帰ってくる。
近頃はだいぶ修ちゃんに怒られる事もなく、少しは趣味も必要だからといって、
お小遣いのようにもらっているお金の範囲内でならという約束だけ守りなさいといわれてる。
「修ちゃんおかえりー。」
玄関にお迎えに行くと、
「尚美。」とちょっと雲行きの怪しいトーン。へ?
身に覚えが無いからなんだろうと思ったら、腰をかがめて拾い上げた、ハサミ。
「!!」
「これはなに?」
「・・・」
「これは何かと聞いているんだよ。答えられないわけ無いね?」
「ちょっと、・・・ついうっかり・・・してた。」
「それはこの間の日曜日にも言っていたね。」
う。やばい。
「尚美?」
「ごめん。なさい。」
「僕は君の趣味を取り上げたくは無いし、常識なんじゃないのか?こういうのって?」
」
「修ちゃーん。」
「もうしません。」
「何度も何度も同じ事をして。」
しーん。っていうか、これはやはり、やはりそうでしょうか?ってな展開だよね。
どう考えても私が悪い。
『そんな幼稚園で習うような事もできないのか?』
と日曜日に怒鳴られたばかりで、
その時はごめんなさい。で許されたけど、2度目は無いよな〜。
「修ちゃん?」
ちゃぶ台の前にへたり込んで、左上のほうから感じる健ちゃんに向かってしゃべる。
「尚美もうしないから。ビーズ取り上げたりしないで〜。」
「本当にもうしないって約束するね?」
「します。」
「お仕置きだ尚美。」
やっぱり。
「自分でいいなさい。」
「修ちゃんもうしないから。」
「お仕置きされなかったら、またするだろう?
この間お仕置きしないで、口頭注意の結果がこれか。」
「まったく。」
「今回は堪忍して。これくらいの事いいよね?」
この、これくらいが引き金だった。
その後『今すぐ来なさいと』修ちゃんはピシリと宣言したのでした。
「よくよく、泣いて反省しなさい。我侭は許さないからね。」
そういって、修ちゃんの膝の上で、ほんの数発かと甘い予想していたお仕置きの回数が、
態度が悪いと言われて、ビシビシと叩かれる。
何度も終わりかと思いきやまた態度が悪いから、やり直しだと繰り返され、たったこれだけの事なのに、
酷いお仕置きになってしまった。
「僕が何に対して叱っているのか良く反省しなさい。」
そういってようやく膝の上から下ろしてもらったけれど、
酷いお仕置きにワンワン泣いて、
こんなことで、という気持ちはどうしても消えなかった。
癇癪を起こしたように泣いていると、
「いい加減にしなさい。」
と本気の本気で一括されてしまった。
「ちょっと、お仕置きから遠ざかると途端に甘えて。」
だって、お尻痛いの嫌なんだもん。
修ちゃんの鬼。ふくれっつらでいたら、
「もう一度膝の上に来るかい?」
といって膝をポンポンと叩く。
丁寧にご辞退申し上げたけど、やっぱり
修ちゃんの言う事っていつも本当はその通りなんだよな。
分かっているんだけど、正しすぎて時々かえって素直になれなくなる事がある。
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