「くっしゃーん。」

「くっしゃーん。」

 

修ちゃんが一週間の修学旅行から帰ってきた途端にすごいくしゃみ。

「尚美、僕がいない間に何回掃除機かけた?」

「・・・」

「少し疲れているから忍耐力が無いんだ。質問にはすぐに答えてほしいね。」

「怒ってる?」

 

「怒ってるね。」

 

「ごめん。」

「質問にはまだ答えてないようだけど。」

「うん。一回かな。あ、二回かな。」

「尚美!」

「わー。ごめんなさい。本当はしてません。」

 

「やれやれ。僕がハウスダストのアレルギーだって、知っているだろ?」

「ほら今すぐ掃除機かけて。30分したら戻る。」

そういって、出て行ってしまった。

やばーい。

修ちゃん疲れているのに、やばーい。取りあえず、見えるところのは雑誌の山をそろえたり、クローゼットに投げ込んで隠したんだけど。しまったー。

すごい勢いで窓を開けて掃除機をかける。アレルギーってすごいね。掃除機かけてないのもばれちゃうとは。きっと帰ってきたらお尻痛くされちゃう。せっかく一週間ぶりで帰ってくるのすごく楽しみにしていたのに。

 

ガチャッと玄関の開く音。部屋もちょうどきれいになって、今度は大丈夫なはず。

「ちょと念の為、うがいするわ。」

 

ようやく、お帰りなさいのキスができたのは帰ってきてから一時間も経っていた。

「修ちゃんごめんなさい。」

「わかってるね?」

 

「はい。」

 

「まったく、困った奥様だ。」

パーン。パーン。パーン。

「久しぶりに会えると思ったらお仕置きする羽目になるとは。」

パーン。パーン

「いやーん。ごめんなさい。」

「ちゃんとする。約束するからー。」

パーン。パーン

パーン。パーン

パーン。パーン

「修ちゃん。ごめーん。」

パーン。パーン

じたばたしても、修ちゃんはみっちりとお仕置きした。

「もうしない。本当。ごめんなさい。」

その後、めそめそしながら、謝ってようやく許してもらえた。

 

「帰って来るの楽しみにしてたのに。」

「奥様、自分のせいだっていうことわかってるんですよね?」

「分かってるけど。お尻痛いよ。」

「いけないことしたらお仕置きだ。」

「口で言えばわかるのに。」

「はいはい。」

「本当だよ。」

「駄目。お仕置き無しにはしないよ。特に尚美みたいな子にはね。」

 

あーあ。やっぱりお仕置きは無くならないか。

「返事は?」

「はーい。」

 

「返事は短く。」

「はい。」

これ以上小言を言われないように修ちゃんの口をふさいだ。だって一週間ぶりだよ。会えたの。

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