「あのさ。」

「うん?」

「怒らない?」

 

「僕が意味無く怒ったことある?」

 

そう言う意味じゃないの、知ってるくせに。禅問答じゃないんだよ。もう

「ちがう。そうじゃないけど、もういい。今の質問は忘れて」

 

「じゃあ。言うけどさ、あの。お茶碗割っちゃったの」

「形あるものは壊れるんだから仕方無いよ。不注意な所は直したほうがいいけど、人間誰しも完璧じゃないし。」

 

「本当?ひどく怒られると思ったのに?」

「尚、怒るっているのは、お仕置きってことかい?僕はそんなことではお仕置はしないよ。」

 

ちょっと考えた後、

「そうだな。例えば、未だに家計簿をつけていないってことならこれはね、お仕置だけど。」

それを聞いて、尚美は青ざめた。結婚して、家計簿をつけると約束したものの、何もつけてなくって、その事をすでに一度注意されている。おおまかでいいからつけるようにといわれていたが、それ以降も確かに何もしていない。

「尚はポーカーフェースが出来ないんだな。すぐ顔に出る」

「これから、お仕置されるの?だって今夜は、私そんなつもりじゃなかったんだもん」

 

「尚、自分で分かるだろう。お茶碗割ってしまった事が反省できて、家計簿つけない怠けた態度が反省できないわけが無いよな。」

 

「わーん。明日から付ける。ちゃんと約束するから。」

「明日からっていうのはこの間聞いたばかりだよ。2回目は許されないの、知ってるね。」

 

「さあ、膝の上に来なさい。この間はお仕置をしなかったら、この有り様だ。本気ですぐにつける気になるまでたっぷりとお仕置しよう」

 

「聞こえなかったのかい?膝の上に来なさいといったはずだよ。」

尚美はしぶしぶながら、お仕置の覚悟をする。

「あの。サボろうとしてたわけじゃなくて忘れちゃったの」

 

「いい訳しない。どっちにしても、やってない事にはかわりないんだから」

パチーン

「ねえ、反省してるから。痛くしないで」

「痛くないお仕置なんて聞いたこと無いよ」

パーン

「なんとか逃げたい気持ちがあるうちは厳しくするよ。」パーン

 

「だってー」パーン

「だってじゃない。」

パチーン パチーン パチーン

「反省しているなら、しっかりと痛いお仕置きを受け止めなさい。」

「いけなかったって、十分反省してます」

 

パーン パーンとお尻は赤くなって行く。

お尻はジンジンしてきている。どれくらい叩かれるのだろう。

「もうカンニンしてー。」

「反省が聞こえないうちははまだまだだ」

反省しているのに。痛い。痛いよ。もうヤメテよ。

 

そうやって、お尻を丸出しにさせられて、お茶碗割って怒られるだろうなと

覚悟していた内容とは違う理由でのお仕置は続いた。

パーン パーン と絶え間無く繰り返し痛みは襲ってくる。

休憩もない。

「痛いよー」

最初から反省してるって言ってるのに。ひどい。

「何でお仕置が続いているの?良く自分で考えなさい。」

「はい。」

「なんで?」

どうやら、ちゃんと答えられないうちは叩く手が止まることは無いらしい。

「家計簿のこと、すっかり、そのままにしてました。」涙声で答える。

「隠しとおせると思って、怠けていると大変な事になるんだよ。」

「はい。」

「もうしません。」

「是非そうあって欲しいものだね。」

 

「よろしい。じゃあこれで終わりにしよう。」

最後の一発は飛びっきり痛い バチーンという一発だった。

 

「あ〜〜〜」といって、痛さのあまり、すぐに膝から降りる事ができなかった。

確かに明日からはちゃんとつけようという気になった。

「食事おわったら、今日からちゃんとつけようね。お財布にレシートあるだろう?

一緒にしよう」

 

「今日から?」

「そう。今日から。そうじゃなかったらきっとまた明日の夜同じ理由で

お仕置きされるんじゃないかい?」

ニッコリ微笑まれた顔みて悟った。

うーん。読まれてる。

 

「はい」

 

でも、今夜は一緒につけるってことは、「いらないもの買って」とかいわれちゃうかな…。ちょっと別の意味の心配が・・。

 

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