「どうだった?歯科検診?」
「・・・えっと、今日は忙しくって明日にしちゃった。」
「明日は木曜日で歯医者は休みだろ。」
「あーそうだった。」
ってちょっとわざとらしかったかな?
「ん。じゃあ、明後日。明後日行って来る。」
「昨日も確か忙しくって行けなかったんだっけ?」
「尚美?どこいくの?」
「あ、お茶でも。」
「いいから座りなさい。話の途中だよ。」
「でも。」
「でも?」
「あ、いいえ。なんでもないです。」
「まさか、僕がついていかないと、一人じゃ行けないとか?」
「生徒でも、こんなことサボる子いないんだけど。」
「だって、臭いが嫌いなんだもん。」
「尚美。」
メッていう感じの顔したって、嫌なんだもん。
「だって、虫歯無いし。」
「虫歯無いけど、それでも、もしかしたら、痛い事になるかもしれないし。」
「身に覚えがあるのなら、早く言った方がいいんじゃないの?」
「そうだけど・・・。」
「金曜日は絶対行って来なさい。」
「なんなら、忘れないようにお尻を叩いておこうか?」
修ちゃんの八重歯が見える笑顔は素敵なんだけど、この場合の笑顔は出来れば見たくない。
「そんな。お尻痛かったら、歯医者さんの椅子に座ってられないよ。」
「痛みが分散した方が耐えられるよ。」
「そんなー。」
「素直じゃなかった分はお仕置き追加ね。」
って、お仕置きすることにいつの間にか話が進んでる・・・。
うげげ。
「金曜日行くって。必ず行くって約束するからー。」
「お仕置きは必要無いよ。ちゃんと覚えてらえるし。」
「駄目。来なさい。」
修ちゃんの手から逃れようとしたのに、
パン
「なんでー」
パン パン パン パン
「なんでー。約束するってばー。」
パン パン
歯医者も怖いけど、修ちゃんのお仕置きの方がもっと怖い。歯医者は一時、修ちゃんは・・・。
パン パン
「あーん。ごめんなさい。」
「金曜日はちゃんと行きます。ごめんなさーい。」
なんで行く前からこんな目に・・・。
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