彼氏になってからの仁は信じられないくらいに甘い。外人だったら、紳士って言葉を使うのかな?

もうめっちゃくちゃに惚れてます。彼氏と喧嘩したなんていう友達もいるけれど、

私の場合、勝手に拗ねたりすることはあっても、喧嘩というレベルにはならないかもしれない。

あまりに理想の人で他の人にとられたりしないか、もうそれは心配で、なんの約束よりも優先に仁と会いたい。いつも会うたびに嬉しくって仕方が無い。

 

 

「ありさー」

お茶を仁としているところで、声をかけられた。

「噂の彼氏?」

「あ、クラスの友達の友美で、彼氏のジン。」

と、お互いを紹介したまでは良かったが。

「ふーん。どおりで、電車の中でレポート書かなきゃいけないはずだ。遊びすぎだって、叱っておいて下さいよ。」

 

げ!何言い出すの友美ったら。

 

「おや?」

 

おやって?

やばい。笑顔なんだけど、目が笑ってないよ。

「そうだね。じゃあ、しっかりお説教しておくよ。」

 

友美と仁は和やかに話しているけれど、冗談じゃないんだよ、とこっちは冷や汗が出るほど、オロオロ。

これ以上変な事言い出さない内に 仁から遠ざけないと・・・。と思っていたら、友美の方から去っていった。

後にはきまずーい雰囲気だけが。

 

きまずい。いても立ってもいられないよ。この沈黙。

 

「あの。」

「ちょっと間に合わなくって。」

また沈黙。

「遊びすぎなんだって?」

 

「それは、ほら、言葉の弾みというか、あやっていうか。そんな事無いよ。」

目をうっすら細めるしぐさ。

「外でこんな会話聞かれない方がいいだろう。家に来なさい。」

そういってさっさと会計を済ましてしまい、私といったら、大好きな彼氏様の後を雨に濡れた小犬のように、後ろにくっついて歩くしかなかった。きっと周りからみたら、喧嘩しているカップルって感じかな?

でも周りの目よりも何よりも、気になるのが仁の怒り度合い。

 

彼氏になってから、本当にやさしくって、包んでくれていて、

こんなに幸せな日々なんだっていうのが怖くなるくらい。

悪い事なんてしようか無いし、怒られる事も生徒じゃなくなったから、全く無かったのに。

ついにこの日が来てしまったか。

 

すっかり遠ざかっていたから、

どれだけ辛いか実感が伴わないけれど、

仁の背中が広くって、『こんなに肩幅広かったんだ。』

なんて関係ない事考えながら歩いていた。

 

 

「お嬢様、わかっているね?」

見上げてみるその人は柔らかい表情をしているけれど、きっと始まったら酷い事になるに違いない。」

 

「はい。」

「勉強するのが学生なんじゃないのか?」

「その通りです。」

「遊びすぎっていうのは?」

「あれは本当に友美がふざけてオーバーに言っただけだし。」

 

「本当にそうなんだね?」

うぐ。言葉じりを捕らえられると結構悩む。

「すぐに答えられないところをみると、後ろめたい事もあるようだ。」

 

もう完全に仁のペース。ま、最初から、怒られる側の私の立場は悪いけれど、

それにしても、半年前?それ以上になる?最後のお仕置き以来、遠ざかっていたのに、久しぶりの緊張感。

 

「有紗。僕が言う前に言うことがあるだろう?」

 

「ごめんなさい。反省してます。」

ちろって仁を見る。

「ちゃんと目を見なさい。」

ひー。ちょっとみたじゃん。

「聞こえたの?顔を上げてちゃんといいなさい。」

 

「もう。許して。出来ない。」

だって、上向いたら、泣き出しそうなのがばれちゃうよ。まだ叩かれてもいないのに。

 

「お仕置きだからね。」

「甘えてごまかそうとするお嬢さんにお説教くらいで終わらせるわけにはいかないだろう。」

 

「有紗、顔をあげなさい。」

「はい。」

 

何度も何度も繰り返される。

よく仁ったら、嫌にならないよ。こういうところ本当に辛抱強い。

 

「よし、じゃあ、お仕置きしよう。膝の上に来なさい。」

「じーんーーー。」

 

「さらに10発追加。ぐずぐずしているともっと追加になるぞ。」

うわ。

だからといって、さっさとすることなんて出来ない。

のろのろと膝にのり、のろのろとスカートを上げる。

「パンツ下ろしなさい。」

そういわれてお尻の2/3を見せたところで手をとめてみる。

結局あっけなく、膝までおろされる。

「さらに10発追加な。」

 

そんな殺生な・・・。

 

パシン パシン パシン

ん?我慢できないでもないか。比較的弱い叩き方。あ。でも、段々痛くなってきて、同じところ叩かれていると我慢するのが厳しくなってきた。

パシン パシン パシン

パシン パシン パシン

パシン パシン パシン

「痛い。」

もぞもぞ動いてみたら、

パシーンと一発 強い一打が振ってきた。

「いったーい!」

 

「我慢しなさい。」

そういってまたちょっぴり弱い叩き方なんだけど、すぐに痛くなってきて、

そろそろ限界と思っても手は止まらない。

パシン パシン パシン

パシン パシン パシン

パシン パシン パシン

「堪忍して。もう。許して下さい。ごめんなさい。」

「甘い顔をしていると、気が緩むようだからね。」

パシン パシン パシン

パシン パシン パシン

パシン パシン パシン

 

「痛い」

本当に、本当に痛いよ。仁、痛いよ。痛いよ。

 

「正直に全部ちゃんと話すから。いい子になるから。ごめんなさい。」

 

「本当だな?」

「本当。本当だから。もう堪忍して。」

 

 

 

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