懺悔?

 

ふー。ため息。今日は憂鬱だー。

 

先生から含みのある事、言われたのに、全く身に覚えが無い。気が重いよな。隠すつもりなんて無いけれど、だって、悪い事なんてしてないし、隠し事もないのに。

 

「授業の最後に聞くから。」そういって、なんてことなく授業が始まってしまったけれど、やっぱり、何にも思いつかない。ヒントなんて言ったらきっとツノまで見えるほど怒るだろうしな。何しでかしちゃったんだ?私。それにしても、仁先生まつげ長いな。

 

「で?」

来た。

「怒らないでね。」

「思いつく事ないの。」

 

「無いんです。」

 

やば。

「無いんです。」

「今日はまだ先生だからね。敬語使いなさい。」

「はい。」

こういう所、うるさいのって頑固ジジイみたい。

 

「僕から言うって事はお仕置きは酷いよ。よく考えてもまだ分からないのなら、じゃあ、聞こう。」

「耳のピアスいつあけた?」

 

!!!

「あ。」

「『あ』じゃない」

聞かないで欲しかった。気がついちゃったか。ばれないようにずっとバンドエイドしてたんだけど、最近ファーストピアス外せるようになって特にケアしてなかった。でもいつ気がついたんだろう?

それからはパニックで、何をどう答えたのか自分でも全然覚えていない。

覚えているのは、膝の上でワンワン泣いている自分に途中からふとわれに返った時から。

「どうしてか聞いているんだよ。」

多分何度も繰り返された質問だったに違いない。

「皆が。」

とつい、言ってはいけない台詞を口走るほど思考能力が無かった。

「皆がやっているからやるのか?」

「自分のした事がちゃんと分かるまで今日は許さないからな。」

パーン パーン パーン パーン

痛い。痛い。痛いです。彼氏様のはずの先生。痛いです。

ギャン。痛すぎる。

なんでこうなるの?甘いカップル生活はいずこ?

でもそんな自問できたのは自分の部屋のベットに帰ってから。そのときはひたすら、痛みから逃れるべく、必死だった。

「ごめんなさい。」

「ごめんなさーい。」

どんなに甘えようと、いつものように、ビシビシと叩く手が止まるはずが無い。

彼氏になったからとか、そういうことで手を緩める人なんかじゃ絶対に無いのは分かっていたけれど、微かに期待した私がバカだった。

パーン パーン パーン パーン

たっぷり泣いた後、ソファーの横並びで座りながらピアスの開いている耳を障られて、やさしく

「どうして?」

と聞かれてつい本当の事を喋っちゃった。

「友達がやっていたというのは本当なの。でも校則で駄目なの分かっていたんだけど、人生が変わるって皆がいうし、結構あけている子もいるし。」

 

「なんで人生変えるんだ?」

「だって。」

「だって、先生と離れるって決まっていたから、願掛けっていうか、おまじないっていうか。」

「やれやれ。」

「それでこれか?」

「もう一度膝に来なさい。」

「いやー。もう堪忍して。」

「有紗。膝の上に来なさいといわれたら素直に来なさい。」

「・・・・」

「返事は『はい』と言うこと。」

「はい」

「明日からも絶対に甘やかしたりするだけの男にはならないからな。」

「はい。」

うわーん。怖い。

「膝の上に来なさい。」

う。また言わせちゃった。なんで2度も言ったりするのさ。よけい怖いよ。

怖いよ。怖いよ。と思って膝の上に乗ったけれど、お仕置きは怖いっていうのじゃなく、マジ、痛かった。始まってしまうともうただひたすら痛くって、なんで叩かれているのかもどうでもよくって、逃れようとしてまたさらに叩かれてという繰り替えしだった。

「今日は厳しいからな。どうして叩かれているのか、自分でわかるまで許さないからね。」

 

神様、仏様、仁様、どうかそんな事をいわずに・・・。

「いったーい!」

願いは聞き入れられませんでした・・・。

 

鬼には願いを聞き入れるほどの広い心が無いからね。

 

本当に私はこのお仕置きをする彼氏様でよかったのかしら?こんなに痛いお尻にされると自分でもちょっと自信無くなる。贅沢病なのかな。一種の。

 

あーん。お尻痛いよ。仁先生のバカ。

私のラブラブ生活は前途多難。ジンって呼んでいいと言われたけれど、怖さは変わらないからな。どうか、いつも笑っていてくれますように。そろそろ、終わりにしてほしいな。

 

「有紗、態度が悪い!」 パシーン

 

「ごめんなさーい。」

「いったーい!」

あっさりと判明。当然のように、願いは聞き入れられません・・・。

 

鬼には願いを聞き入れるほどの広い心が無いからね。ううう。

 

 

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