期限切れ

 

約束の期限が切れてしまうまで、後2回。

 

会える事がいつも必ずしもうれしい事ばかりでなかったのに、いつの間にか、続けて欲しいと思うようになっていた。自分でもわからない。本心から続けたいと意思っているのかは。だって、嬉しくない事もあるから。

 

ママから頼んでもらったのに、どうしても、もう無理らしい。人気者なのだ。先生は。

 

「先生と別れたら、もうちゃんとやっていく自信ない。」

だだっこみたい。と自分で思うけど、エスカレーター式の大学進学も決まったし、もう結構後は自由な学生生活。

「おやおや。」

 

「本当だもん!」

「本当に、本当に大好きなんだもん。」

うわ。私ったら、勢いに任せてなんてことを口走っているんだ?

 

「有紗?」

顔から火がでて、でもって心臓がものすごい速さでドクドクドクドク

 

「確かに目を放すとすぐに気を抜いてしまいそうではあるな。」

「なんなら、定期的にお尻を叩かれにくるか?」

 

「イヤ!そんなんじゃない。そんなの望んでない。」

首を横にぶんぶんと振って激しく主張。とんでもない展開だ。きっぱり断っておかないとこの人の場合本気だとかなりまずい。

 

「そうだな。でも、もう先生ではいられないからね。」

「分かっている。」

「・・・・」

「じゃあ、彼女になるか?」

 

「え?」

え?え?え?えーーー!!!

「先生もう一回言って。」

2度目は無いよ。知っているだろう?」

「知ってても聞きたい。」

今日の私はかなり強気だー。もう止まらない。

「もう一度だけでいいから。」

思ってもみなかったといったら嘘になる。夢にまで見た展開だよ。

 

もう一度は言ってくれなかったけれど、

先生は照れながらおでこにチュっとキスしてくれた。

「おでこじゃなくて口にして。」

「マセガキが。」

マセガキじゃないよ。って言おうと思ったのに。やわらかい感触でふさがれてしまった。

嬉しくって涙がでちゃうよ。

幸せ。どんなに怖くっても、こんなに尊敬している人が傍にいてくれる事になるなんて。

 

だいすき

 

「先生?」

「先生から彼氏になっても、僕は厳しい人だと思うよ。」

「うん。」

本当は嫌だけど。今日はなんでもいい。

「いつから好きだった?」

「ねえ?ねえ?」

先生の困る顔って始めてみた。答えてくれなかったけれど、弱点見つけちゃった。シャイなんだね。センセイ。いつものニヤリとは違う。かわいい。

 

「さあ、授業始めるぞ。」

ちょっと照れ隠しのようにぶっきらぼうにいわれちゃった。

集中してないと酷い目にあうからしばらくはこの幸せ気分は横においておかなくっちゃ。

 

「後一回だけ、僕の生徒の有紗さん。告白することがあるだろ?今日だけ、叱らないから言ってごらん。」

 

授業の最後に言われた言葉。ドキ?としたけれど身に覚え無し。

「何にもないよ。」

 

「そう?来週まで良く考えておくように。」

「え?」えー!!!

 

今日の気分はまるでジェットコースター

 

 

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