どんな風に忙しいのか、想像できなくて、 あなたを思うたびに、私は一人なんだなと認識する。 会えない事を我慢する度、どんどんひねくれていく。 来てない事は明白なのに、メール受信をチェックしてしまう。 依存。 あなたにこんなに、依存している自分が嫌でまたもや、別の自己嫌悪。 仁がいないと私は動けない。 どこにいるにも、違う事をふと考えてる自分がいる。 こんなに依存してしまうなんて。 彼無しではこの世の中、到底耐えられない。こんな気分は、秋のせい。 「メールくれないんだもん」 「そうだったか?」 忙しいほうの人は覚えてない。ヒマジンの私は最後にもらったメール、大切に何度も読み返したりしてるっていうのに。 「バカ」 「ケチ」 「わすれんぼ」 「ごめん。ごめんな。じゃあ、今からメールする」 目の前にいる人にメールする? 「いい」 「もう帰る」 『そういうな』って引き止めてもらって、紅茶入れてもらった。 でも、素直になるタイミング逃して、俯いたまま。 「どっか行くか?」 社会人は疲れてる。 こんなに気を使ってもらうほどの自分は人物なのか。仁にとって、どんな存在なんだろう?ちっぽけな自分が嫌になって、殻に閉じこもる。 「やれやれ」 そういって前髪をなでる。 今日はどうしてそんなに優しいの? 「やさしすぎる」 「いつもだろ?」 「ちがうもん。いつもならお仕置きされてるもん」 心と違う言葉が。ひねくれた言葉が出てくる。 「お仕置きされると思ってたのか?困った人だ。本当に」 「おいで」 ビクッした私に優しく笑ってそのまま抱きしめてくれた。 それだけで、心臓が早撃ちして、幸せすぎて涙腺がわずかにゆるむ。 情緒不安定 「寂しい思いさせてるよな。ごめん」 私だって、一人で拗ねて、悪かったよ?ごめんね。仁 「謝らないで」 そういって口をふさぐ。 「後でお仕置きな」 次に出た言葉は決して甘くない。 「な・・んで・・?」 「お仕置きされるだろと思ったこと、仕出かしてたんだろ?」 「思い当たる事があるなら、すっきりしておけ」 眉毛を親指のふちでなぞられる。 何の儀式これ?嘘ついたら怖いよって事? 無いとはいいきれず。 寂しさごまかすために、数々の約束破り。 「罪状は聞かない。特別だ」 目を細めて言うその言葉。 優しいと思わせておいて、実は厳しいであろうことは容易に想像できた。 甘やかされる幸せと、でも叱られると思っていた事の心のもやも見抜かれて。 ジン無しではやっぱりこの世の中生きていけない。 ニュートラルに戻る瞬間。 |
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