膝からおろしてもらってほっとしたのもつかの間。

 

「本当の事って?」

「え?」        

「え。じゃないだろう。言う事が無いのに、本当の事話すなんていったのか?」

「だって。そうしないと終わらないと思って。」

 

「有紗!」

ビクッ 仁の声に反応する。

 

「自分で分からないのなら、もう一度膝の上に来なさい。」

「わかってるから。もうしないから。」

「いいや。分かってない。膝の上に来なさい。」

「仁お願い。もう許して。痛いよ。お尻。」

 

「僕が家庭教師をしていた頃だったら、こんなに駄々をこねなかったはずだね。

一度言われて出来ないと酷い事になるっていうの、忘れてしまったかい?

しかも、すでに2度今僕は言っってるね。」

「もう一度言わせる気じゃあ、まさかないよね?」

 

まさかないです。

すごすごと元の膝の上。

どうか、ちょっとだけだといいのだけれど。

 

パシーン パシーン パシーン

 

痛い。さっきのとは比べ物にならないじゃん。

「我慢しなさい。」

痛いと言おうとしたら、先に言われてしまった。拳を硬く握って懸命に耐える。

 

耐えて、耐えて。

パシーン パシーン

 

呪文のように自分を励ます。

パシーン パシーン

「ごめんなさい。もう。駄目。」

 

といって、思わず手でお尻を隠してしまう。

「有紗。その手はなんだ?」

え。えっ。 しゃっくりがこみ上げてきて、しゃべろうと思っても喋れない。だいたい理由なんて

無いよ。やめてほしくって、思わず体が動いてしまったんだもん。

 

仁は黙って、私の手を腰に持って行き、そのまま上から押さえると、

さらに強く叩き始めた。

 

パシーン パシーン

自分がした事とは言え、あまりの厳しいお仕置きに泣いて、泣いて、もうパニックになって、

ひたすら痛みから逃げ出したくって、もがいて。それでも叩かれた。

 

ようやく膝から下ろされたときには、激しい運動をした後みたいな脱力感が残って。

へたり込んでしまった。

 

「有紗?」

「ごめんなさい。」

条件反射のようにつぶやくが、それくらいで 鬼の目をごまかす事なんて出来ない。

ちゃんとごめんなさいと心から思っていなかったら、また膝の上。

「悪い事したら、正直に言うし、嘘もつかない。ごまかしたりもしない。」

思いつく限り、言葉を並べてみる。

 

「約束だぞ。」

「はい」

「すっかり逃げてばかりいる子にしてしまったから、今日はひさしぶりにお仕置きをしたけれど、

別に僕だって、かわいい彼女のお尻を赤くしたいわけじゃないんだからね。」

 

「はい。」

の後で、心の中で続ける。

是非ともやめてください。仁さま。

 

「それでも、仕方の無い事なら、なんなら定期的に膝の上にのるか?」

まるで心の中が読めるよう。

「嫌。もうしないから。」

あわてて、付け足す。

 

「最初に追加するって言っていた分はどうするかな。」

え?まだあるの?

 

「・・・・・・・・・」

 

しーん

 

「もう十分反省しています。」

「なんだって?聞こえないな。」

「反省しているので、もう終わりにして。」

 

絶対このアクマはわざと言ってる。だって見たら目元が笑っているもん。

「本当に誓うから。」

もう一押し。

「本当に誓う。か。じゃあ、膝の上においで。ちゃんと心してお仕置きを受けたら、本当に誓えるだろうからね。」

 

そういって、しっかり、20発叩かれた。

一打一打が痛いんだよー。

仁の鬼。  鬼。オニ おにー!

手加減無しのオニ彼氏。 本性みたり?

 

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