終わっちゃったものは仕方ないとばかりに、気楽に楽しんでいた試験休みもあっという間に終わり、結果報告しなくちゃいけない魔の日も近づいてきた。

テストはまあまあ、もうちょっと頑張ればよかったかなというのが、日本史だけど。まあ、許容範囲かな。成績のことなんて今までカズちゃん、口出ししてきたことなんて無かったし。といくぶん楽観的。

「お兄ちゃん、後でちょっといい?」

「あ?ああ。」

これで分かったよね。あー私って偉い。自分から言い出すなんて。

 

そうして恐怖の数時間を過ごした後、カズちゃんは部屋に入ってきた。

「あのさ、答案返ってきたから。」

 

「ふーん。結構成績いいんだな。」

そうだよ。今回は特に頑張ったし。えへ。

「日本史と数学があまり芳しくないけど?」

「うそ。日本史はともかく、数学頑張ったのに。」

「70点切っているんですけど・・・。」

 

「えーっと。次頑張ります・・・。」

甘えてみた。ニッコリ笑ってみた。

「そう。素直な態度を取るように。」よしよし。といわんばかりにカズちゃんがうなづく。まるで先生のよう。これで頑張った。偉かった。&行ってよろしいって言ってくれるといいんだけど。

 

 

「さてと。」

ビクッ

 

束になった答案を机の上にパサッと置くと、こっちに改めて向き直って聞かれた。

「何でお仕置きされるのか言ってごらん。」

「え?」

 

あー。やっぱり駄目か。

「あ。えっと。いけないって 言われてたのに、パソコンしてたから。」

って、こんな分かりきった事をあえて言わせる辺り、思わず反抗したくなるほどむっとする。でもわざと言わせているの分かっているから、我慢我慢。

「僕のあげるときに約束したのを守らなかったからには、お仕置きは覚悟の上でやっていたはずだね。それなのに、さらに悪いことに、パソコンしてたことを隠そうとしていたね。」

うわーん。怖い。口調が怖いんですけど・・・お兄様。わざわざ繰り返さなくっても・・・。と思うもののお兄ちゃんは完全に“怖いお兄ちゃんモード”にスイッチ入ちゃってるし。

「はい。ごめんなさい。」

私の言うべき言葉はこれしかもう残されてない。

 

「お仕置きは覚悟はできているね。」

「はい。」

「あ、でも、ちゃんと反省しているから。」と思わずアピール

 

「ちゃんと反省しているのは、態度で示してもらおう。来なさい。」

厳しくしないよね????お兄ちゃん。飲み込んだ言葉は結局言い出せず。

パチン パチン パチン パチン

早速始まった。

「い。痛い。」

パチン パチン

「ね、ねえ。痛いよ。」

「悪いことしたんだ。ちゃんと理解できるまでお仕置きする。」

「もうちゃんと反省してるよ。理解しているよー。」

パチン パチン

「駄目。駄目。」

パチン パチン

「わーん。次からはちゃんと言いつけ守る。」

パチン パチン

「ほんとにホント。ちゃんとしますー。」

いつもより多分軽目なんだけど、それでも回数が増す毎に段々と痛みが強くなる。

「いや。痛い。ごめんなさい。」

「ごめんなさーい。」

パチン パチン

 

パチーン

「ひっ」

「よし、十分反省したようだから、いいだろう。」

 

これ以上叩かれない様に急いで膝から降りた。痛いお尻をさすりながら、それでも終わりにしてくれたお兄ちゃん、やっぱり今日はちょっとやさしめだったかも。

「ごめんなさい。」

 

 

「約束は約束だからな。」

「はい。」

 

あああ。どうしてこんなにきっちりした性格なんでしょう。今回は大目にみてやるって

言ってくれたらいいのに。それは絶対にない。あーあ。試験前になるとどうしても他の事がやりたくなる。一種の病かも。

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