部屋のドアをノックする音。ヤバッ。
「あ、ちょっと待って。」
「佐緒里?」
「あ、駄目―。」
と叫んだのに。
ガチャッ
すぐドアあけなかったのを不審に思ったのか、カズちゃんが強引に入って来た。
「テスト前はパソコンしない約束だっただろ?なんでパソコン立ち上がっているんだ?」
一気に突いてくる。しかも声が怒ってる。
急いでシャットダウンしたのに、やっぱり間に合わなかった。背中で不自然に慌てて隠して余計に変に思われて、結局ばれてしまった。
「違うの。」
意味不明な言い訳。
「なにが?」
自分でも訳け分からなくなっていたから、もう答えられない。
「黙ってないで答えなさい。」
ビシっと言われて答えられる人なんて絶対いないよね。少なくとも私には無理。
「・・・」
「隠すってことは悪いことしているという自覚があるってことだよな。」
パチーン
スカートの上からだったのに思いっきり叩かれた。
「いっ。」
まさか叩かれるとは予想してなかったからビックリして声がでてしまう。
「パソコンは禁止。」
「いいね?」
「はい。」
「テスト勉強ちゃんとしなさい。試験の答案が全部戻って来たその時にじっくり話す。」
「その時って?」
「今日お仕置きしたら、また勉強に身が入らないだろう。少しでも罰を軽くするんだったら、テストでいい点とりなさい。」
そういって、出ていってしまった。
これってーーー。うそ。やば。これから2週間もお仕置きの恐怖を感じながら、大人しく真面目に勉強しろって事?そうだよねえええ。でも自信ないよ。テストの点数はそりゃあ、いい方がいいのは分かっているけれど・・・。わーん。
やらなきぇいけないとき、突然違う事が猛烈にやりたくなるって事あるよね?
ねえ?
とてもカズ兄本人には言えないので一人心の中でつぶやいた。
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