「カズちゃん、あのね。」

「どうした?」

 

そばで浩ちゃんがソファーで新聞読みながら、しっかり聞いている。

なんにも知らないかのように。今日言わなかったら僕からお仕置きだとさっき廊下で脅されて、仕方なく告白。もう随分と日にちが経って、ようやくお尻の痛みも和らいできた。

いつになったら言うんだ?って浩ちゃんしっかり覚えていて、これだからきっちりケジメをつけるタイプは困る。

 

「怒らない?」

「怒るようなことをしでかしたのか?話聞くまではなんともいえないな。」

大好きなカズちゃんとはいえ、そういって、面と向かって座られると、いいにくいんだよなー。こんな展開じゃなかったら、久々に家にいるカズちゃんにべったり甘えちゃうんだけど。

「あのね。」

なかなか核心にふれるのが難しく、でも、いい加減に話し始めないと、カズちゃんきれちゃうかも。そしたらもっとやばい感じ。最近怖いからな。

「この間のサイン会の時、家帰るの遅くなっちゃったじゃん。」

「うん。」

「覚えてる?」

「ぎゃーぎゃー泣き喚いたのも覚えてる。」

「それはいいの。覚えてなくって!」

なんか話の腰を折られたようで話しにくいなーもう。

「あのこと、お仕置きされた後もね、お仕置きするなんて酷いって思っていたの。」

「?どういう意味だか分からないんだけど、話の筋道立てて説明してごらん。」

 

そういわれて仕方なく最初から説明。下を向いてぼそぼそと話し始める。

「うーん。で、佐緒里はどうしたらいいと思う?」

「本当はね、叱られた意味ちゃんと分かってる。だからごめんなさいを言おうと思ったの。」

 

「そうだね。しかし、「ごめんなさい」の一言でこのまま終わってラッキー位に思われても困るからな。」

「おいで。」

うそー。やっぱり。ガーン。最悪の展開。ちらって浩ちゃんみると顎をしゃくって『ほらっ』って感じで助け舟は無し。

 

今回だけは、許そうとかって、無いの〜?

どっちかっていると、カズちゃんの場合は容赦が無い感じ。

浩ちゃんはまだ甘いかな?ああ、でも本質的には両方ともお仕置きするときは厳しいか・・・。はああ。

 パンツが下ろされる。

パシーン

「あーん、カズちゃん、痛いよ。」

治ったとはいえ、やっぱり、まだお尻は痛い。

「我慢しろ。」

パーン

「やだー。いたいー。」

「じっとしていられないのなら、終わらないぞ。」

そんな怖いこと言わないで。

「ごめんなさい。もう十分反省しているから。浩ちゃん」

思わず浩ちゃんに助けを求める。

「なんだ?浩二からもお仕置きをもらう気なのか?」

パーン。パーンと続いた。

「嘘。ヤダ。カズちゃんだけで十分だよー。もう反省してる。ホント。ホント。」

ちょっとオーバーかと思ったけれど、この間の恐怖がよみがえってちょっとパニック気味に大騒ぎをしたら、すぐに許してもらえた。

膝から下ろされて、半べそでカズちゃんみたら、苦笑いだった。ちらって浩ちゃんもみたら、浩ちゃんはわざとまじめな顔してた。

 

「カズちゃん。本当にごめんなさい。」

「よしよし」

ポンポンと頭をなでてもらって、それから、みんなでお笑い番組を見た。

両側を笑っている兄に挟まれ、ちょっとお尻の痛さを忘れるひと時だった。やっぱり、私ってブラコン。

 

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