どうせ、補欠なんだし、毎朝の朝練もいい加減かったるい。うちの学校って、春にスポーツ祭があって、バレー、バスケ、卓球の3種目、クラス対抗戦なんだよね。で、地味な卓球はパスして、走るのやだから、バスケもパス。って消去法で残ったバレーやる事にしたんだけど、何故かバスケチームは張り切っちゃって朝練するって言い出したから、正に貧乏くじ。

 

 面倒だから、足くじいた事にしちゃって、サボってたの。接骨医院に行くか?なんて過保護な発言を浩ちゃんがしたので、あわてて、湿布しておけば大丈夫と言って遠慮申し上げて、おかげで3日は朝練サボれる計画だった。だったんだけど。  バレテしまった。

 

 正面がカズちゃん。佐緒里の部屋に入ってきて、さっきから腕を組んで睨みを利かせてる。だから体育会系は困るのよ。どうしても見たいテレビがあったの忘れてて、すごい勢いで2階から下りちゃったんだよね。痛いふりするのすっかり忘れて、ダダダダって。

 勿論、テレビは見逃しましたよ。今正にやってるもん。

「足が痛い振りして、皆のチームワーク乱すような事をしていたんだね。」

うわー。部活動の先生みたいな発言。

「ごめんなさい。」

「自分が朝起きるのが嫌だから?」

「そうじゃないけど。」

「じゃあなに?」

答えられない質問しないでよ。分かってるくせに。

「佐緒里。ごめんなさい。というからには自分でも悪いと思っているんだね?」

「はい。」

「ずるをするなんていけないね。」

「だって。」

「だってじゃない!」

「はい。」

 

ちらって見上げたらもろに目があってしまった。

鬼の中川ってこのことだ。うえー。怖いよう。

「ごめんなさい。」

「さっきからそれは聞いてるよ。言う事がもう一つあるだろう?」

えー?無いよ。ごめんなさい以外に何言えっていうの?

 

「しょうがない。後に続いていいなさい。」

「お仕置きしてください。」

「えええ!」

思わず口から言葉が先に出ていた。

「佐緒里!」

「はい。」

もう顔上げられない。声からして怒ってるのは確実。あちゃー。

 

「いえるね?」

畳み掛けられるように言われては。これは浩ちゃんでも怒るだろうしな。あ。体育バカはこれだから嫌だっつーの。

「お仕置き して ください。」

「よし、自分で言ったんだ。覚悟しなさい。」

言ったんじゃないもん。言わされたんだもん。と心の中で半べそで訴えるものの、通じる相手ではないから、ぐっとこらえて膝の上。

 

スカートが捲くられ、パンツが下げられる。

「明日の朝練に支障が無いように10発だけにするから、数かぞえなさい。」

パーン

え?数って?

パーン

「イチが聞こえないぞ。いつまでも終わらないぞ。」

「あ。まって、まって。」

そういって容赦なく始まり、ビシビシ叩かれている間に数えられなかった分もあって、10発以上は確実に叩かれたけれど、約束通り、

「じゅううううー。」

と泣きながら数え終わったら膝から下ろされた。

「チームワークのスポーツを自分で選んだなら、ちゃんとやりなさい。」

 

最後まで部活の顧問発言。

「はーーーい。」と間延びした答えをしたら、

パシーンとスカートの上からだけど、もう一発お尻を派手に叩かれた。

 

こと、スポーツマン精神に反するみたいな事をするとお兄ちゃん、絶対お仕置きなんだよな。ひりひりするお尻をさすりながら、二階にトボトボと上がる。目覚ましを仕方が無いから6時にセットして・・・。

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