スキーシーズンも終わっちゃったなー。
今年はお兄ちゃん達とは一回しか行けなかったけど、かなり強烈な思い出。
ちょうどパラレルもどきが出来かけだから、スキーに行きたくってしょうがなくって、連れてってと散々わめいて実現したスキー旅行。お兄ちゃん達はさすがの運動神経だけあって、スイスイ滑れるから、つきっきりじゃ悪いし、お兄ちゃん達も滑りたいだろうから、1日目は一緒に滑って、2日目の午前中だけ、スキー教室に一人で参加。午後から、カズちゃんと、浩ちゃんが2時間ずつ交代で付き合ってくれる事になった。2泊3日の北海道旅行。それはそれは夢のように楽しかった。なにしろ、久々にお兄ちゃんたちに甘やかされたから。一つの出来事を除いては…。
原因は、実はスクール内緒でサボった事にあった。
だって、一人で参加だなんて恥ずかしいし、つまらない。だったら、部屋でゆっくりして、午後からお兄ちゃん達と滑りながら習う方が楽しいな、なんて。前日のスキーで若干筋肉痛でもあったし面倒くさくなってしまったのが、さらに追い討ちをかけて、まあ、いいか、なんて。
泊まっていた部屋は4人で泊まれるようになっていて、2部屋づつのベットルームにリビングがついているちょっと豪華な感じ。そう、2日目の夜。食事も済んで、と言うところで、浩ちゃんが切り出した。
「佐緒里、スクール、いかなかっただろう?」
直球勝負の突然の切り出しに、びっくりしてしまって、浩ちゃんをまじまじとみる。
私は二の句がつげなかった。なんでばれちゃったんだろう?ていうか、言い訳とか、ごまかしとか、そんなの考えるより、まず驚いちゃったんだよね。
「午後一番でカズ兄が教えたときに変だと思ったらしいよ。で、俺と交代した後、スクールに確認しに行ったんだ。そしたら、キャンセルしてあるっていうじゃないか。」
「ごめん。」
「やりたくなかったらそういえばよかっただろう?無理やりやらせようなんてカズ兄だって俺だって思ってないんだし。」
「うん。」
「悪い事したんだからお仕置きだけど、まだ明日半日あるから、今夜お仕置きしたら、お尻が痛くって滑れないかもしれないな。」
カズちゃんが言う。
「ヤダ。お仕置きしないで。」
「今夜したくなかったら、帰ってからたっぷりするか?」
「ヤダ。それはもっとヤダ。カズちゃん、お仕置き無しにしてよ。ねえ。」
「悪かったと思ってないってことか。」
「悪かったとは思ってる。」
ちらっと浩ちゃんを見るけど、助けてくれそうにも無い。
それどころか、
「これから俺達ナイタースキーに行くから早く決めてくれ。」
だって。酷いじゃん。浩ちゃんの意地悪。ちょっとは助け舟出してくれたらいいのに。
仕方ないよな。これじゃあ。二人にじっと返事を待たれているのに、耐えられず、
ボソッと「今にします。」って、いっちゃった。
やっぱりのびのびにすると怖いし、それに今からナイターだからすぐ終わってくれるかな。ナンテ微かな期待も込めていた。
「じゃあ、おいで。」
カズちゃんの膝の上。
パーン。パーン。パーン。パーン。
ただでさえ、お尻打っていてるから、痛い!
「痛い。お尻いたーい。」
パーン。パーン。
「お仕置きなんだからあたりまえだろ。」
バーン。パーン。
「もうしないから。」
パーン。パーン。
「スキー教室の参加費は?」
パーン。パーン。
「持ってる。」
パーン。
「取っておいで。」
下ろされたパンツをたくし上げ、もともと、カズちゃんにもらったお金を取りに行く。
「これは明日の昼代だな。」
「ごめん。・・なさい。」
痛いお尻にバシバシお見舞いされた後、お兄ちゃんたちは私を部屋に残して、ナイターに出かけていった。ナイターはもともと行くつもりが無かったからいいんだけど、ちょっぴり痛いお尻と一緒に静かな部屋にいるのは寂しかった。
そして、翌日、本当にお尻が痛くって転ぶのが怖くって、2回くらい滑って上がってしまった。スクール参加しなかった事がばれるなんて、お兄ちゃん、何でも分かっちゃうんだ。
さすがの運動神経。おりてくるお兄ちゃん達をお茶飲みながら眺めていた。思わずため息ついたのは、入り混じる二つの思い。格好いいんだけど、最近は時々怖い。そして、座っているのも厳しいお尻の痛さ。さっきから、落ち着きが無い子だな、って周りからみられていないか心配。まあ、お尻打った位にしか思われてないかもしれないけれど。
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